防水工事業界では、防水工事が必要な状況にも関わらず、お客様が地元の工務店やリフォーム会社に問い合わせすることも多くあります。そのため、防水工事会社としても下請けの仕事がメインになりがちで、なかなか利益がでないという悩みを抱えている企業も多くあるでしょう。そんなとき、必要になるのが営業を行って新規開拓をすることです。また、営業によってメーカーや工務店の下請け数を増やすこともできます。
今回は、
「依頼数を増やすために新規開拓営業を行いたいけど何から始めればいいのか分からない」
「営業に力をいれているのになかなか成果につながらない」
「営業のコツやお客様から嫌われない方法を知りたい」
このような疑問やお悩みを解決するためのポイントを分かりやすく解説していきます。
自社の強みや顧客ターゲットを明確にする
営業を始める前に、必ず準備しておくことは自社の強みを理解し、誰にどのように営業をかけるのかというターゲットを決めることです。ターゲットによってどのように強みをつたえるのかや営業の適切な方法も変わってきます。まず始めに自社サービスを理解し、ターゲットを明確にすることから始めましょう。
自社の強みを明確にする
まずは自社の強みを明確にしていきましょう。施工実績やサービス内容、スタッフの技術力など多角的に自社について分析していくことが大切です。以下、自社の強みを明確にする時の視点を詳しく説明していきます。
サービス内容
どのようなサービスを展開しているのかはお客様が一番重要視する内容でもあります。営業マン自身が商品の強みをしっかりと理解し、サービスの魅力を漏れなく相手に伝えるようにしましょう。特に、サービス内容でお見積りを出す際には、アフターサービスまでしっかりと相手に伝えるようにしましょう。防水工事は無形の商品なので、具体的な魅力を伝えるのは難しいと感じるかもしれませんが、営業を行ううえではサービスの細かい部分まで理解し、アフターサービスなどで他社と差別化することで契約数を増やすことができます。サービスを理解することは営業マン自身の自信にもつながりますし、相手からの信頼感にもつながります。商品理解を深め、サービスの特長を把握し商品の必要性やその魅力をお客様に伝えるように心がけましょう。
施工実績
施工実績を分析する際にはどの施工方法でどのくらい施工してきたのかを明確にすることが大切です。特に施工数は具体的な数までお客様に伝えると説得力が増します。どのような工事をどのくらい行ったのか把握し、できたら施工前と施工後の写真までお客様に提示できるように用意するといいでしょう。
技術力
スタッフがどのくらいの技術力をもっているのかを分かりやすく伝えるためには保有資格などを明確にすることが大切です。職人の技術力がわかるものがあればお客様からの信頼につながりやすくなるだけでなく、スタッフ自身も自信をもって営業できるようになります。営業の際には資格証明書の写真やコピーなどを提示できるよう用意しておくこともおすすめです。
防水工事業者が狙うべきターゲット
自社の強みを理解できたら次に狙うべきターゲットを決めていきましょう。防水工事会社のターゲットは
- ビルやマンション・アパート
- 工場
- 飲食店や事務所・病院などのその他施設
- 戸建て
があります。それぞれについて詳しく紹介していきます。
ビルやマンション・アパートなど
不動産屋をターゲットとすることでビル・マンション・アパートなどの防水工事の依頼数を増やすことができます。とくにマンションやオフィスビルの防水工事は入居者の満足度向上や入居率を維持していくために重要です。また防水工事は建物の資産価値を低下させないためにも必要になるので、その点をオーナー様に理解いただけるようにアプローチしましょう。質の高い施工ができればその後次々と別の物件での依頼が増えることも期待できるのでアプローチ先とてはおすすめできるターゲットになります。
工場
工場は何十年も同じ建物を使って製造している現場も多くあり、修繕や補修工事の需要も大きいと考えられます。建物を建て替えずにそのまま長年使用している工場では雨漏りの防水工事や屋根の防水工事の必要頻度も高くなるでしょう。特に企業規模が大きい工場の場合は工事の頻度が高く価格を見られることもあります。そのあたりの自信がある防水工事会社であれば、そういった企業規模の大きい工場も良いアプローチ先になります。ただし、工場の建物によって屋根の形状や材質が異なるので、自社で対応できるものなのか確認が必要です。
飲食店や事務所・病院などのその他施設
防水工事はあらゆる建物で必要な工事です。例えば飲食店であれば雨漏りは衛生面で悪影響を及ぼす可能性があるので、雨漏り対策のために防水工事は必要になります。事務所でも雨漏りや水漏れが起きて重要書類が濡れてしまうと大変です。病院でも清潔な環境を保つために防水工事は重要です。こうした施設によって防水工事が必要となる理由もそれぞれことなるので、提案の仕方を工夫して営業を行いましょう。
戸建て
防水工事はあらゆる建物の需要がある工事です。それは戸建ても例外ではありません。戸建て住宅もベランダの防水層が痛んでいたり雨漏りが起きていることもあるので、アプローチを積極的にかけていきましょう。建物の状況をみて適切な営業を実施することが大切です。
こんな営業マンは嫌われるから要注意!
営業に対してはネガティブな印象をもっているお客様もいます。営業をかけるだけで、警戒心をもたれてしまったり、嫌われてしまうこともあります。お客様から良い印象をもってもらい、契約をとるにはいくつかポイントを抑えることが大切です。以下、営業マンが嫌われてしまうポイントを紹介します。営業の際には以下のような態度には気をつけましょう。
急いで契約にもっていこうとする
顧客に考える余地を与えない業者はお客様から嫌われてしまいます。お客様が適切な判断を下す前に、「今日契約してくれれば安く塗り替え工事しますよ」「今すぐ工事しないと雨漏りにつながりますよ」といったように契約を焦らせようとする態度は決してとらないようにしましょう。お客様のなかにはこのような契約を焦らせる営業マンと契約を結ぶと、後から価格が変わってしまったり、言っていたこととは違う工事内容になってしまうなど、トラブルが発生する可能性があると認識している方もいます。契約させることばかり意識せず、まずはお客様の話を聞く、雑談をするといったことから始めるようにしましょう。お客様との会話の中でお客様が契約することに納得するような内容を提案しましょう。
建物の細かい部分まで見てくれない
建物の細かい部分まで見て、必要な工事を提案することは、防水工事業者のプロとして当然行うべきことです。しかし営業マンはとにかく案件を取ることに集中してしまい、強引な営業トークを展開してしまうこともありますが、まずはお客様の利益を考えることが大切です。お客様に「この業者に依頼したい」と思わせるためには、建物を隅々まで丁寧にチェックし、その物件の状態にあった提案を行うことが大切です。お客様にとって本当に必要な提案をすることで信頼感を与えることができます。
不安を煽ってくる
お客様は不安ばかり煽ってくる営業に警戒心や不信感を感じてしまうことがあります。相手の不安を不用意にあおって契約を急がせるような発言には気をつけましょう。「今すぐ直さないと雨漏りしますよ」、「早く直さないとさらに工事が必要になりますよ」といったような営業トークはやめた方がいいでしょう。
ネガティブな発言ばかりするのではなく、防水工事のメリットも話し、雑談を交えながらお客様と会話することも大切です。不安な気持ちにさせるだけでは契約にはつながりません。
大幅な値下げをしてくる
防水工事の値段はその建物の状況や塗装面積、材料代によっても変わってきます。必要な費用まで削って極端に安い値段を提示するのはやめましょう。このような営業をかけて契約すると最悪の場合、施工の質がさがりお客様とトラブルに発展してしまう可能性もあります。建物の状況を見て、適切な価格を提案することが大切です。お客様には今の家の状況や防水工事の必要性を丁寧に説明し、納得感をもって契約してもらうようにしましょう。お客様からの満足度は商品の質や価格だけでなく、施工後のアフターサービスも関わってきます。価格競争を行うと、工事の質の低下につながり、後からクレームがきてしまうこともありえます。価格競争にこだわらず、自社の強みを分析し他者との差別化をはかりましょう。
こんな営業マンは好かれる!
営業マンにとって最初の第一印象はとても大切です。第一印象でお客様に良い印象をもってもらい、契約までつなげましょう。お客様に良い印象をもってもらうためのポイントを紹介します。
笑顔ではきはきしゃべる
人の第一印象は最初の30秒で決まるとも言われています。営業でも最初のつかみでどれだけ良い印象を与えられるかはとても大切です。笑顔でお客様と話すことで、相手の警戒心を解き、営業しても断りにくい雰囲気をつくるようにしましょう。また自信を持ってハキハキと話すことも相手に良い印象を与えることができます。プロの防水工事業者であることや、人として信頼できる人間だと思ってもらうために笑顔ではきはきとしゃべるようにしましょう。
提案の理由を伝える
お客様に納得してもらい契約までつなげるためには、防水工事の必要性を分かりやすく伝えることも大切です。お客様の建物の状態を把握し、それにあった提案を行いましょう。提案理由までしっかり話すことで信頼できる業者だと思ってもらえます。
見積もり内容がわかりやすい
見積もりの内容がどこの工事でどのくらい費用がかかるのかわかりやすいとお客様も不安が減り、信頼につながります。逆に「〇〇一式」といったように書くと細かい項目まで確認できず、お客様に不信感を抱かれることもあります。内容が細かく記載された分かりやすい見積書をお渡しすることでお客様にも安心をもってもらいましょう。
好かれるポイントを抑えて防水工事の営業を成功させよう!
いかがだったでしょうか。防水工事会社での営業を成功させるためにはまず自社の強みを理解し、サービスの詳細まで把握してからターゲットを設定することが大切です。また営業を実際に行う際は笑顔でハキハキと話すことを心がけ、不用意に不安を煽ったり、契約をせかすようなことはしないようにしましょう。営業を成功させ、工事の依頼数を増やしていきましょう!