SNSやスマートフォンの普及に伴い企業の採用方法も多様化しています。自社に合った優秀な人材を獲得するには、そんな多様な採用方法の中から自社の採用力や採用対象に合わせて最適な採用方法を選択することが大切です。今回は企業の採用方法15選と令和の最新トレンドについても徹底的に解説していきます。
求人広告を最大限活用し人材を採用するためにまず考えるべきこと
企業の求人募集のための媒体は多くあります。そのため、「何を使えばいいかわからない」と悩む方もいるでしょう。採用方法選びを成功させる秘訣は、採用計画を立てることと、自社の採用力の整理をすることです。
これらを通して自社に最適な採用方法を選択することが大切です。以下詳しく説明していきます。
事業計画に合わせた採用計画を立てる
まずはどんな人をいつまでに何人取りたいのかという採用計画を立てましょう。
「どんな人を」というのは採用で採りたい対象のことをさします。新卒や既卒もしくは中途採用などが当てはまります。同時に採用で採る人の雇用形態まで考えることが大切です。これらのことを考えるときに重要になるのが働いてくれる人に求める経験値です。未経験でOKなのか、それともスキルの高いスペシャリストをとりたいのかによって最適な採用方法も大きく変わってきます。
そして「いつまでに〇人」という期限と採用予定人数を決めましょう。
これらは自社の事業計画を見直し、それに合わせて決めていくことが大切です。
採用ターゲットを明確にする
次にどんな人を採用したいのかを明確にしましょう。具体的には求めるスキルや経験、年齢、性別、人柄などを洗い出すといいでしょう。これらの条件を洗い出すと、採用の時の面接の質問にも生かすことができ、選考基準がぶれにくくなります。ただし条件を絞りすぎると、ターゲットになりうる人材にアプローチできなくなるなど、チャンスロスが発生する可能性もあります。その条件がマストなのか、もしくはあれば望ましいものなのかまでハッキリさせておきましょう。
採用にかけられる労力を把握する
採用にかける予算や工数といった自社のリソースを把握しましょう。市場に多くいる採用ターゲットを高い採用力で採用するなら、コストや工数は低く抑えられます。一方で、市場に少なく競合が激しい採用ターゲットを低い採用力で採用したいと思う場合は、そのためのコストや工数がかかってきてしまいます。人材紹介を使う場合は、採用単価は上がる一方、採用工数を低く抑えることができます。
新卒社員の採用方法
次に採用対象別に最適な採用方法を紹介していきます。まず、新卒社員の採用方法についてです。新卒社員の採用方法は以下の5つになります。
- 新卒合同説明会
- インターンシップ
- 大学就職課
- 就職サイト
- 会社ホームページ
それぞれについて詳しく紹介していきます。
新卒合同説明会
新卒合同説明会では、求職者と直接会って話しをすることができます。自社のPRを出来るだけでなく、質疑応答や面接を同時に実施することができるため、効率的に採用プロセスを進めることができます。
また合同説明会では多くの企業が出展しているので、他の企業目当てで参加していた学生にも自分の会社のことを知ってもらうことができます。ただし、出展している他の会社と比較されやすい傾向もあります。また、出展するためのコストが高いので、費用対効果まで考えて選択しましょう。
インターンシップ
インターンシップとは、選考活動の半年から1年前に一定期間主に学生に働いてもらう制度のことです。インターンの期間は会社によって異なり、中には数ヶ月にも渡る長期インターンを設けている会社もあります。
インターンシップは、会社側は学生の適性を見極めることができ、学生側は会社の雰囲気や仕事内容との相性を見極めることができるので、採用後のミスマッチを防ぎやすくなります。採用面接だけでは掴みづらい、学生の能力や人柄なども細かく把握できるというメリットもあります。
ただしインターンシップを行うには手間がかかります。インターン生を受け入れる部署では、様々な調整が必要になりますし、インターン生の能力によっては現場の業務負担が大きく増えてしまうこともあります。こうしたメリットまで考えて選択するようにしましょう。
大学就職課
高校や専門学校、大学などの学校で、掲示板や学内システムに求人を掲載してもらう方法です。専門分野や学部を指定することができるため、求職者の特徴が推測しやすいというメリットがあります。ただし、学校によっては掲載を断られる可能性もありますし、求人へどのくらい反響があるのかは把握しづらいというデメリットがあります。
就職サイト
就職サイトは多くの企業が採用のために使うサイトになります。そのため、就活生の多くも、マイナビやリクナビなどといった大手求人サイトを利用しています。就職サイトによって基本料金やスカウト機能といった機能性も異なります。就職サイトは多くの就活生に対して、情報提供の機会があり、情報を気軽に掲載できるといったメリットがあります。一方で、大手企業を中心に数多くの企業が求人を掲載しているので、求人票を掲載したとしても埋もれてしまうというデメリットがあります。
会社ホームページ
上記で述べた、就活サイトは多くの就活生に対して情報を届けることができる一方で、文字数や画像枚数に制限があり、掲載したいことがすべて掲載できないという可能性もあります。そこで活用できるのか、自社の会社ホームページです。自社のホームページなら制限なく伝えたい情報を詰め込むことができます。また採用情報だけでなく自社に関する様々な情報を詳しく掲載できるという特徴があります。ただし、その会社に興味がある人にしか見てもらえない、応募者が多く集まるとは限らないというデメリットがあります。
中途社員の採用方法
次に中途社員の採用方法について詳しく解説していきます。
中途社員の主な採用方法は
- 転職サイト
- ハローワーク
- 採用エージェント
- ダイレクトリクルーティング
という方法があります。
以下、それぞれについて分かりやすく紹介していきます。
転職サイト
転職求人サイトは、新卒採用で紹介した就職サイトと同じく、マイナビやリクルートといったものが有名です。比較的安く潜在転職者層にもアプローチできるだけでなく、欲しい人材へアプローチすることもできます。ただし採用のために工数がかかる、費用を払ったとしても確実に応募があるとは限らないといったデメリットもあります。転職サイトによって、原稿の修正回数やスカウトメールの送付数などが異なりますので、自社にあったものを選びましょう。
ハローワーク
ハローワークとは、各自治体の労働局が運用する公共職業安定所のことです。求人の相談だけでなく、履歴書の書き方や職業訓練に関する、相談相談窓口における相談、自己分析サポートまで行ってくれるサービスがあります。費用がかからないので採用コストを抑えることができます。ただし求人の掲載や選考において工数がかかることや、求めている人材からの応募がなかなかこないといったデメリットもあります。
採用エージェント
採用エージェントとは、求めている人材に合った条件を確認し、それに合った求職者とマッチングさせてくれる仕組みです。求職者を探してきてくれるだけでなく、面談まで行ってくれることもあるため、ある程度選別された人材を選考対象にすることができます。そのため、採用業務の負担を減らすことも可能です。ただし採用が成功した場合は他の採用方法に比べコストが割高になる傾向があります。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは企業が求める人材を主体的に探し出す採用方法です。データベース上にある人材情報から、求める人材を発掘して直接スカウトメールを送って選考を受けてもらうことができます。採用コストを抑えつつ、ターゲットに沿った人材をとれるというメリットがあります。一方で、採るまでに工数がとても多くかかるケースがあることや、必ずしも求める人材を採れるという確証がないといったデメリットがあります。
令和トレンドの採用方法
時代の流れに沿って企業の求人採用方法も変わってきています。令和におけるトレンドの採用方法は、以下の通りです。
- SNS採用
- 採用代行
- ターゲティング広告
- リファラル採用
- ミートアップ
- 各企業のジョブリターン
それぞれについて、以下、分かりやすく紹介していきます。
SNS採用
企業側が、InstagramやFacebook、TwitterなどのSNSを利用して情報を発信し、採用を行う方法です。SNSを通じて様々な人とコミュニケーションを取ることができる上、内定辞退の防止にも利用することができます。また採用にSNSを利用すると拡散力があるため、転職の潜在層に対しても求人があることを認知させることができます。SNSを利用することで自社のブランディングにも役立ちますが、コンテンツを継続的に更新する必要があります。
SNS採用はコストもかからず、転職活動を行っていない潜在層など幅広い層までアプローチが可能ですが、SNSを使っていない層や特定の方に対してターゲッティングを行いながらアプローチするのは難しくなります。また、SNSに対する知識や運用スキルが必要となります。
採用代行
採用代行とは、企業の採用活動に関する業務を他の会社などに委託し、代わりに採用活動を行ってもらう方法です。ノウハウのある、採用のプロが運用することで効率よく採用活動が進められるだけでなく、採用のノウハウを教えてもらうことも可能です。ただし、依頼する業者によって採用に関わるスキルも異なるため、どのような業者を選定するかが重要となります。
ターゲティング広告
ターゲティング広告とはマーケティングの考え方を採用方法にも取り入れた手法です。就職や転職活動を行って、Webサイトに訪れている人に対して広告を配信し、応募の数や求人活動の質を改善することができます。ターゲットの応募数を増やすことができ、さらに、ターゲットを絞ってアプローチするので費用対効果が高くなるメリットがあります。ただし広告を使って誘導する先のWebサイトをしっかりと作り込む必要があります。
リファラル採用
リファラル採用とは、社員に人材を紹介してもらう採用方法のことです。企業で働いている社員からの紹介のため、安心感もあり、採用後の定着率も高いというメリットがあります。また採用コストも大きく抑えることが可能です。デメリットはリファラル採用に対する社員の理解や認知が必要になる事などがあげられます。
ミートアップ
求職者と企業の社員が交流する場を設け、自社に合った求職者がいたら選考に繋げるという方法です。様々なテーマに合ったイベントを開催し、専門職の人材に対して自社を知ってもらう機会を提供することができます。直接交流することにより、企業の雰囲気などを理解してもらえる人材に出会える可能性が高まります。デメリットとしてはターゲットと異なるコミュニティが集まるという可能性もあるということが挙げられます。
各企業のジョブリターン制度
ジョブリターンとは何らかの事情で退職してしまった社員を本人の希望があれば、もう一度雇用する方法です。ジョブリターンの場合、採用にかけるコストを大幅に削減できるだけでなく、採用後の教育にかかるコストも抑えることができるというメリットがあります。ただしこのような、再雇用制度を導入するにあたっては、会社の制度自体を変更する必要があったり、既存社員とのバランス調整に注意が必要です。
採用効率を上げる最適な方法の選び方
最後に会社の採用効率を上げる最適な方法の選び方を紹介していきます。採用効率を上げるためには自社のニーズを分析し、そのニーズに合った方法を選ぶことが重要です。採用に関するニーズとは、採用コストや採用までのスピード、自社と応募者とのマッチングなどがあります。それぞれについて以下、分かりやすく紹介していきます。
採用コストで選ぶ
採用コストを抑えて採用活動を行ないたい場合、SNS採用やリファラル採用、自社ホームページ、ハローワークといった求人掲載のコストがかからない方法を組み合わせて採用活動を進めていくことがおすすめです。ただしこれらの採用方法は成果が出るまでに工数や時間がかかる場合が多くあります。採用スピードを上げたい場合は採用コストの予算をつけ、臨機応変に対応しながら採用活動を進めていくのが良いでしょう。
採用にかかるスピードで選ぶ
採用にかかるスピードを重視したい場合は、人材紹介サービスの利用がオススメです。エージェントが採用したい人材の条件を確認し、その条件に合う人材を素早く見つけてきてくれます。そのため、すぐにでも即戦力となるような人材が欲しい場合や、期間限定で特定の人材を補充したい時には採用までのスピードが早いエージェントの利用がおすすめです。ただし、採用コストは高くなるので注意が必要です。
自社と応募者のマッチングで選ぶ
自社と応募者のマッチングを重視して採用活動を進めたい場合は、リファラル採用やダイレクトスカウトがオススメになります。これらの方法は、マッチング精度が高い一方で、そもそも集まる人数の母数が少なかったり、担当者の業務の負担が大きくなったりするので、他の採用方法と並行しながら、行いましょう。
最新の採用方法を抑えて優秀な人材を獲得しよう!
いかがだったでしょうか。企業の採用方法にはさまざまな方法があります。優秀な人材や企業にあった人材を採用するためには、企業のニーズに合った採用方法を選択することが重要です。さまざまな採用方法の特徴を把握し、自社にあった採用方法を選択して優秀な人材を獲得しましょう!