塗装屋と聞いてどんなイメージを持っていますか？塗装屋に興味のある方でも
「塗装屋の主な仕事内容ってなんだろう？」
「仕事に興味はあるけど将来性が心配」
「塗装の魅力について知りたい」
と思う方も多いのではないでしょうか。塗装業は生活の様々な場面で活躍していますよね。住宅やリフォーム、道路、車など日常生活でもよく見かけると思います。今回は塗装屋になりたい人に向けて、具体的な仕事内容や魅力、将来性についても詳しく解説します！
塗装の仕事内容
塗装の仕事は主に何をしているかご存知ですか？塗装と聞いてまずイメージするのはペンキやローラーで色を塗る作業ではないでしょうか。しかし塗装の仕事はそれだけではありません。ここでは実際の「塗装の主な仕事内容」と「外壁塗装の仕事の流れ」を説明します。
主な仕事内容
塗装の主な仕事は壁や屋根などの対象物に塗装することです。また塗装する職人を塗装工といいます。塗装する対象によって呼び方が変わり、建物なら建築塗装工、自動車やバイクは板金塗装工といった名称があります。塗装工の仕事は見た目だけ整えるのではなく、古くなった塗装の修復や点検なども含まれています。塗装は色を塗る以外にもサビや熱による劣化を防ぎ、耐久性を高める目的があるからです。一見シンプルな仕事のようで多様な役割を担っていると分かりますね。
外壁塗装の仕事の流れ
まずは外壁塗装の仕事の流れを簡単に説明します。外壁塗装をする際の順序も一つずつ見ていきましょう。最初に行うのは「高圧洗浄」です。塗装する対象が汚れたままだと塗料は素材に付着しません。そのため必ず塗装をする前に高圧洗浄でカビや汚れを落とす必要があります。次に「下地調整」です。壁にヒビや傷があれば補修して埋めていきます。その後、塗装の密着性を高めるためにあえて表面に傷をつける「ケレン」を行います。状態によって作業内容が変わるため電動工具を使ってサビを落とす場合もあります。この下地調整が塗装の仕上がりを左右するといっても過言ではありません。続いて行うのは「養生」です。塗装しない箇所に塗料が飛び散らないようビニールや布などで覆います。そして「下塗り」作業に移ります。下塗りには本塗りを剥がれにくくさせたり、塗膜に厚みを持たせる効果があります。下塗りが乾いたら、ようやく「本塗り」の作業です。素材や傷み方によって塗装回数が変わり、必要に応じて下塗り・中塗り・本塗りの３層で仕上げていきます。
勤務形態
塗装屋として働くには「会社に勤める場合」と「一人親方として働く場合」があります。それぞれ働き方や給与面でどんな特徴があるのか見ていきましょう。
会社員として働く場合
塗装屋の仕事はまず会社や親方の下で始める方が多いと思います。未経験でも働きながら学べるので、塗装屋として修練を積むことができます。会社員として働くメリットは給与や身分が保証されている点です。一方で働き方が決まっている分、仕事の自由度は低くなります。また上司や他の従業員とのコミュニケーションは必須なので、職場の人間関係で悩む人もいるかもしれません。
独立して一人親方として働く場合
独立して一人親方として働く場合、会社員の頃よりも自由度が高くなります。仕事選び、スケジュール、仕事量まで全て自分で決めなければなりません。自分の経営スタイルで働くことができるため、より働きやすさを実現しやすくなります。給料は会社員に比べて安定しませんが、働き方によっては仕事を調整しつつ安定した収益を得ることができるでしょう。
塗装工に資格は必要？
塗装工には一体どんな資格が必要なのでしょうか。これから塗装工を目指す人にとって気になるポイントだと思います。塗装工は建築業界でも欠かせない仕事の一つです。専門性が高く、活躍できる機会が多くある塗装工の資格を見ていきましょう。
必ず資格がいるわけではない
結論から言うと塗装工として働くにあたって必要な資格はありません。未経験の方でも塗装工に就くことができます。資格がなくても働けるのは、業界未経験でも挑戦しやすいですよね。働きながら学び、経験を積むことができます。では実際に働く上で役立つ資格やスキルはあるのでしょうか。
取っておいた方がいい資格
必須の資格ではありませんが、塗装の知識や技術を証明する「塗装技能士」という資格があります。塗装技能士は国家資格であり、3級・2級・1級に分かれています。またこの試験は木工・建築・金属・噴霧・鋼橋の5分野から選択できます。（※学歴によって必要な実務経験が異なるので、資格に興味がある方は各都道府県職業能力開発協会まで受験資格・試験日等をご確認ください。）資格がなくても塗装工になれますが、もしあればスキルアップや資格手当、昇級の場で役立つでしょう。
塗装の仕事の魅力
ここまで塗装の仕事内容について解説しました。では塗装の仕事にはどんな魅力があるでしょうか。塗装は一見シンプルですが想像以上に難しい作業です。専門職として高いスキルが求められる塗装屋はどんな場面でやりがいを感じるのか調べてみました。
仕上がりが見た目でわかりやすい
まずは「仕上がりが見た目でわかりやすい」点です。塗装は建物の完成度を左右するといっても過言ではありません。塗装は建築物の仕上げをする作業なので、外観の変化がわかりやすく表れます。自分が携わった建築物がそのまま形として長く残るのは仕事の成果を実感しやすくなるでしょう。塗装の美しさで建物を引き立てることが、塗装工のやりがいにも繋がっているのではないでしょうか。
塗装技術の奥の深さ
次に「塗装技術の奥深さ」を感じられる点です。一概に塗装といっても住宅なら外壁、屋根、ベランダなど様々な対象物があります。また車やバイクなどの金属も含めると多様な素材に応じて技術力や知識も必要になるでしょう。こうした様々な塗装を綺麗に仕上げるのは想像以上に難しく、同時に奥深さも感じられる仕事です。長く続けるなかで塗装のスキルをより磨くことができます。
お客様に感謝されやすい
塗装作業はあまり目立つ仕事ではありませんが「お客様に感謝されやすい」のも塗装工の魅力の一つです。たとえば新築物件では施工主の希望に合った塗料を選び、希望通り作業することが求められます。リフォームする際は元の外壁や内装に適した修繕作業をしていかなければなりません。時には塗装の仕事ぶりを見て、お客様や現場の方から褒められることもあるそうです。自分の技術が顧客の満足度に反映されるため、日々やりがいを感じられる仕事だと思います。
塗装の仕事で苦労すること
反対に塗装の仕事で苦労するのはどんな場面でしょうか。今回は塗装工の方が実際に苦労していることを三点紹介します。人によって考慮する要素も異なるので、ぜひ参考にしてみてください。
塗料の独特な匂い
一つ目は「塗装の独特な匂い」です。特に塗装工になったばかりの人は塗料の匂いをきつく感じることが多いそうです。ひどい時には頭痛に悩まされる人もいます。ただし人によって経過は様々で、仕事をしていくうちに匂いに慣れる人もいれば匂いに敏感でなかなか慣れない人もいます。対策としてはマスクで匂いを予防して有機溶剤を吸い込まないようにする方法があります。
手や衣服についた塗料が落ちにくい
二つ目は「手や衣服についた塗料が落ちにくい」です。普段は塗装用の手袋をつけると思いますが、作業によっては素手で行う時があります。その際に塗料が手についてしまい洗ってもなかなか落ちない…なんてことが意外とあるようです。また作業後に素手で道具を触り、塗料がついてしまったケースもあるので作業前後も注意するようにしましょう。
天候状況に仕事を左右される
三つ目は「天候状況に仕事を左右される」です。天候によっては作業ができないため、予定通りにいかないことも多々あります。雨で屋外の作業が中止したり、気温や湿度によっては屋内でも作業できなくなります。作業の進行状況によって勤務スケジュールが変わることもあるので、先の予定を立てにくいかもしれません。
塗装の仕事の将来性
「塗装工ってこれからも需要あるの？」と不安な方もいるのではないでしょうか。たしかに建築業界では人口減少に伴い新築物件も減少しています。ならば塗装工の活躍する場も少なくなったのでは？と思うかもしれません。しかし塗装の仕事は今なお必要です。それには以下の理由があります。
リフォームの需要はこれからもある
まず「リフォームの需要がある」からです。新築物件は減っていたとしても、長く住むにあたってリフォームする人は増加傾向にあります。これは一軒家だけでなくマンションも対象です。また中古住宅を購入する方も増えているため、リフォーム業で塗装工が活躍できる場は大いに期待できるでしょう。
塗装業はAIロボットではまだ代われない専門的な仕事
また近年では様々な仕事をAIが台頭しています。この状況から塗装業もいずれなくなるのでは？と心配される方もいるかもしれません。しかし「塗装業はAIではまだ代われない専門的な仕事」です。前の段落でも説明した通り、塗装業はシンプルに見えて難しい仕事です。様々な知識と技術力が必要ですし、適切な塗料を見極める力も必要です。工場で塗装された既製品も増えましたが、現場で塗装する作業もいまだ多くあります。こういった状況を考慮しても、塗装業がAIに取って代わる可能性は低そうです。
塗装屋はやりがいがありこれからも需要がある仕事！
いかがだったでしょうか。今回は塗装屋の仕事内容や魅力、将来性についても解説しました。塗装屋は近年リフォーム業が増えていることから今後も大いに需要が見込まれます。AIロボットに代わる心配も現段階では低いでしょう。塗装業は奥が深く、日々やりがいを感じられる魅力的な仕事です。塗装の知識とスキルを身につけ、資格取得を目指せば更なる活躍の場が増えると思います。塗装屋に興味のある人、キャリアアップを考えている塗装工の方にもこの記事が参考になれば幸いです。
