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塗装業の資格や許可を徹底解説!安心して依頼される業者になるためには

塗装に興味のある方のなかには塗装業の資格や許可について詳しく知りたいという方もいるのではないでしょうか。塗装業の資格や許可については、直接塗装に関わるものもあれば、塗装作業を深堀すると塗装に役立つ資格などさまざまあります。また、塗装業は資格が無くても仕事はできます。

そして塗装に関わる許可も存在します。国や地方自治体が塗装する許可を業者に出します。ただ請負金額が500万円未満の案件は許可なしでも工事できます。

でも資格や許可があった方が信頼できる業者としてみなされます。ただ、無くてもいい仕事をする業者は多く存在します。ここでは、塗装に関する資格や許可に関して深く調べていきます。どのような業者であれば顧客から安心して依頼できる業者と認識されるのかの判断材料にしてもらえたらと思います。

塗装業における重要な資格

塗装業は資格や許可が無くても営業を行えます。実際、資格や許可が無い職人や業者も綺麗で丁寧な仕事をする方は数多く存在するのは事実です。ただ、その職人や業者を知らない場合、どうしても資格や許可を所有しているかどうかが顧客が信頼できるかどうかの目安になってきます。公共工事の入札や分譲マンションなど大きな仕事となるとさらにその傾向が高くなります。職人や業者も仕事を取得しやすくなります。ここでは塗装業において特に重要な資格、許可をあげてみました。

一級塗装技能士

塗装技能士とは、塗装に関するさまざまな技能を認定する資格です。国家資格なので信頼性が高いです。1~3級まであり、最も技術の高さが必要とされているのが1級です。発注者側からすると、やはり技術が高い職人に仕事をしてもらいたいと思うでしょう。そして建設業者の中には、「資格手当」を支払う会社もあるため、所有していると給料も増えます。取得するためには、試験を受験する必要があります。試験の内容は、学科と実技があり、学科は100点満点中65点以上、実技は100点満点中60点以上で合格となります。受験費用は学科が3,100円、実技が18,200円となっています。試験は年に2度行われます。概要は以下の通りです。

前期 後期
実施公示 3月上旬~下旬 9月上旬
受検申請受付 4月上旬~中旬 10月上旬~中旬
実技試験 6月中旬~9月上旬 11月下旬~翌年2月下旬
学科試験 7月末~9月上旬 翌年1月末~2月中旬
合格発表 10月上旬 翌年3月中旬

参照:中央職業能力開発協会https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken.html

塗装工事業許可

建設業では、請負金額が税込500万円未満の工事に関しては、建設業の許可の必要がありません。ただ、こちらも工事を発注するとなると、無い業者より所有している業者への方が信頼感があるので、仕事も増えやすいと思われます。塗装業では、無資格、無許可で営業している業者も多い中、このような公的な資格を所有していることは他社との差別化に繋がり、報酬アップも見込めます。同一県内での作業のみなら都道府県知事の、県をまたぐ作業をするなら国土交通大臣の許可が必要となります。

これはチェックしておきたい!重要度の高い国家資格や許可

上記において、特に重要な資格、許可の概要をお話しましたが、ここではさらに深堀りしていきます。

塗装工事業許可

請負金額が500万円以上の工事を請け負うには法律で建設業許可が必要とされています。2つ以上の都道府県で営業する場合は国土交通大臣の、1つの都道府県のみで営業する場合は都道府県知事が許可します。建設業許可は、工事の種類ごとに分けられていて、現在29種類に分類されており、塗装工事や溶射工事、布張り仕上げ工事、ライニング工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事などを行なうのは「塗装工事業許可」という種類です。

一般家庭の工事などは、500万円を超える工事は少数ですが、分譲マンションなどの請負金額が大きい工事はもちろん、公共工事の入札要件などでは塗装業許可は必須となってきます。

塗装工事業許可を取得するには、さまざまな条件が必要となってきます。まずは、経営業務の管理責任者がいることです。個人事業主なら5年以上建設業務を経験する者、企業なら建設業を営む会社で5年以上役員経験がある者が条件となってきます。次に営業所ごとに専任技術者がいることです。塗装に関する国家資格所有者や、塗装業で10年以上実務経験がある者も塗装業の専任技術者となります。あと、資本金が500万円以上ないしは直近5年間許可を受け継続して業務を行なっていたか、社会保険や雇用保険に加入しているか、などが条件となります。技術とともに経営の安定性、従業員への福利厚生なども許可が下りるかどうかの判断材料となっています。
許可の有効期限は5年間で、5年に1度更新していきます。

安心できる技術力に関する資格

発注する側にとっても技術力を有する職人、企業に仕事を依頼する方が安心ですし、仕事をする側にとっても技術があると、仕事の依頼が増えたり、報酬の単価が上がり生活面でも安心できます。塗装業に関わる資格は主に以下のとおりです。

一級塗装技能士

塗装技能士は一級から三級まであり、一級が一番高いレベルを要求されます。一級を受検するには実務経験が7年以上あることが必要となってきます。上記していますが、試験には学科と実技があります。学科試験は100分以内に50問の問題を解いていきます。実技は木工塗装、建設塗装、金属塗装、噴霧塗装、鋼橋塗装に分かれており、具体的に木工塗装では2枚の見本板および2枚の見本紙に基づいて調色して、合板に刷毛塗りの着色の仕上げをした後、刷毛塗り2回仕上げを行なうなど、となっています。

二級塗装技能士

塗装技能士で一級に次いでレベルが高いのが二級塗装技能士です。二級を受検するには実務経験2年以上ある必要となってきます。二級も一級同様、学科試験と実技試験があり、合格点や受検時期、受験費用などは上記しているとおりです。二級の実技試験の具体的な木工塗装の内容は、2枚の見本板に基づいて調色して、さん付きの合板に刷毛塗りの着色仕上げをした後、その一部に吹付塗りを行なうことなどとなっています。

三級塗装技能士

三級塗装技能士は、一級、二級と異なり、学科試験のみとなります。受検資格は以前は、実務経験6ヵ月以上という条件がありましたが、現在は6ヵ月未満の方も受検できるようになりました。塗装に関する職業訓練を受けている方も受検できます。実務経験も浅く、実技試験も必要ないため、技術面では一級、二級と比較して劣るのは否めません。

塗装科・職業訓練指導員

こちらは資格ではありませんが、職業訓練校で塗装に関わる人材育成における授業の講師として働くことができます。塗装業において実技経験が15年以上、もしくは一級塗装技能士の所有が必要です。

建築現場の作業や管理に関する資格

塗装業を営んでいたら、塗装技能士以外でも所有していると身になる資格が数多くあります。ここでは塗装の仕事にも直接関わってくる資格をあげていきます。

有機溶剤作業主任者

塗装工事ではキシレン、トルエンといったシンナー類を含む有機溶剤を使用することが多くあります。有機溶剤は体内に入ると中毒を引き起こすような危険物であるため取扱には十分な注意が必要となってきます。「有機溶剤作業主任者」は、これらの危険物を使用する作業を安全に指揮・監督を行なう資格です。講習を受講することにより取得できます。作業員に健康被害を与えないためには所有しておきたい資格です。

特定化学物質作業主任者

特定化学物質とは有害性の高い化学物質です。塗装業ではエチルベンゼンな       どが該当します。このような有害性の高い危険物から作業員の健康を守るた       めに特定化学物作業主任者という資格があります。有機溶剤作業主任者と同       様、日本作業環境特定協会が行なう講習を受講します。講習は2日間にわた       り、2日目の最後に修了試験が行なわれ「各科目の得点が40%以上の得点        率」と「全科目の合計得点が60%以上の得点率」の2つの条件を満たして合       格となります。

高所作業車運転者

塗装業を営んでいると、マンションなど高い建築物での塗装作業を行う場合があります。その際、高所作業車を使用して作業を行なうことでこの資格が生きてきます。運転できる「高所作業車」は、トラック式高所作業車、自走式高所作業車、装軌式高所作業車、装輪式高所作業車となります。学科と実技の講習を受講し、修了試験を終えると取得できます。区分が2種類あり、高所作業車技能講習は作業床の高さが10m以上の高所作業車、高所作業車特別教育は作業床の高さが2m以上10m未満の高所作業車となっています。

一級施工管理技士

「施工管理技士」は建設業において、特定業種の技術を認定した国家資格です。塗装業には「建設機械」と「土木施工」を有していれば、塗装業の管理技術者として業務が可能です。施工管理技士を所有していると、建設業法における許可の要件としての営業所に置かれる専任技術者および工事現場に置かれる主任技術者、監理技術者(ただし一級のみ)の資格を有する者として扱われます。また経営事項審査では一級施工管理技士が存在すると5点が与えられます。そして技術者の数として数えられます。公共工事の入札に有利になりやすく、民間の労災保険に加入する場合、保険料の割引も受けられる可能性があります。

二級施工管理技士

二級施工管理技士は上記の一級施工管理技士に次ぐレベルの資格となります。施工管理技士の試験は一級、二級ともに1次試験、2次試験が年に1度行なわれます。二級を所有すると、塗装の仕上げ工事に関して管理できます。経営事項審査では二級施工管理技士には2点が加点され、技術者の数として数えられます。

乙4種危険物取扱者

乙4種で取り扱える危険物は引火性液体です。具体的にはガソリンやエタノールなどになります。塗装業で取り扱う溶剤系塗料は第2石油類に分類されます。取扱いを間違うと火災が発生し、請け負っている現場のみならず大きな範囲に災害を招く恐れがあるため、知識を踏まえ資格の取得が望まれます。一般財団法人消防試験研究センターが行います。乙4種試験は誰でも受験でき、受験費用は4,600円となります。試験はマークシート式で60%の正答率で合格となります。

塗装業の民間資格一覧

塗装業に関わる資格は国家資格のみならず民間主催の資格も多くあります。資格を取得することで、多岐にわたる知識が習得できるとともに、仕事の幅も広がり、ビジネスチャンスが増えてきます。

外壁塗装の相談をしやすい資格

外壁塗装では発注者は、どの色を塗ろうか悩みます。カタログの色と実際塗った色とでは光の当たり方などにより、思っていたのと違うことも起きてきます。そんな悩みに対して、アドバイスが欲しい時、カラーコーディネーターを持っていると安心して相談できます。

カラーコーディネーター

カラーコーディネーターは、色に関して実務的な知識を広く得ることができ、色に関わる仕事に役立てることができます。塗装業に関しては、外壁塗装に関わってきます。建物の色は人間でいう化粧にあたり、その建物の印象を決定づけるといっても過言ではありません。しかも一度塗ると何年にもわたり同じ色でいることになるので、外壁の色を決めるのは、慎重になってきます。そんな大事な色選びの時、塗装業者が相談相手になってくれると、助かるものです。色に強いと大きな武器となります。

建設現場の作業に関する資格②

現場において、従業員の健康や、仕事の出来栄えなどが大事です。それに関わる資格も多くあります。

足場の組立て等作業主任者

吊り足場(ゴンドラでの作業をのぞく)や、張りだし足場、または高さ5m以上の構造の足場の組み立て、解体、または変更作業を行なう時には、事業主は、この足場の組み立て等作業主任者技能講習を受講した者の中から作業主任者を選ばなければなりません。高さ5mとは2階の天井より少し下くらいにあたるので、2階建て以上の建築物で作業を行なうにはまず必要となってきます。ただ塗装業者が足場を組む機会はあまり無いかもしれません。される場合は必要となってきますが、足場の専門業者に足場を依頼する際は、資格の有無を確認してみることも大事です。

石綿作業主任者

石綿を使用した塗料は、塗った時の液だれ防止や塗膜のひび割れ防止に優れており、重宝されてきました。塗る際は飛び散ることが無いため健康に害は及ぼしにくいですが、塗膜をはがす作業の時は飛散する危険性があります。石綿ないしは石綿をその重量を0.1%超えて含有する製剤その他のものを取り扱う作業などを行なう場合、事業主は石綿作業主任者技能講習を受講した者の中から作業主任者を置かなければなりません。それに付随しますが、2023年から塗装等の改修、解体工事の際、石綿含有建材の事前調査、報告が義務付けられるようになります。戸建て住宅の塗装に影響がでてくる法改正です。事前調査を行うには、「建築物石綿含有建材調査者講習」を受講する必要があります。

マスチック仕上士、マスチック仕上性能管理

「マスチック仕上士」という資格は、マスチック塗材ローラ工法の技能者であることを証明するものです。マスチック塗料ローラ工法とは、表面に多数の小さな穴が開いている多孔質のハンドローラーを使って1段塗りで厚みがある膜に仕上げる省力化された工法をいいます。この工法は特許が取得されているため、認定機関の組合員のみが施工できます。認定機関は全国マスチック事業協同組合連合会となります。そして「マスチック仕上げ性能管理」は、マスチック塗料ローラ工法の施工管理者です。

建物診断に関する資格

塗装に外壁は切っても切れません。外壁に関する資格も数多くあります。

外壁診断士

「外壁診断士」は、外壁の性能と課題に対応する専門知識を持ち合わせており、依頼者に公正なアドバイスや提案ができる者のことをいいます。外壁診断士は、全国住宅外壁診断士協会が行なう試験を受験し、合格、その後、協会に登録することにより取得できます。

外装劣化診断士

「外装劣化診断士」は、住宅等のリフォームにおいて、建築業者等が適切な住宅の診断を行なう方法を習得し、ユーザーの立場に立った場合、有益な報告と提案を行なう知識と技量の有無を判定する者が有する資格です。受験は誰でも出来ますが、主に建設業または不動産業での実務経験が3年以上の者や建築士、宅建所有者が対象となっています。

リウォール診断士

「リウォール診断士」は日本ペイントが販売する「ダイヤモンドコート」と呼ばれる塗料の認定施工店にのみ発行される資格です。日本ペイントが研修、実習を行ない技術を認定された施工店に与えられます。

窯業サイディング塗替診断士

「窯業サイディング塗替診断士」とは、一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会が主催する民間資格です。戸建て住宅やアパートの外壁の約80%を占める窯業系サイディングを正確に診断し、クレーム予防の技術を習得していきます。

雨漏り診断士

「雨漏り診断士」はNPO法人雨漏り診断士協会が主催する民間資格です。試験は、建物の基礎知識から雨仕舞いの基礎知識、防水・塗装の基礎知識、雨漏り診断の基礎知識、雨漏り診断の実例・実務に関することが出題され、資格を取得すると、その内容が生かされます。

雨漏り鑑定士

「雨漏り鑑定士」は一般社団法人雨漏り鑑定士協会が主催する民間資格です。適正な雨漏り鑑定の方法を習得するとともに、雨漏りトラブルを未然に防止する知識と技術の有無を判定する資格です。試験は選択と記述合わせて50問あり、7割以上正解があれば合格となります。

教育に関する資格

スタッフが安全な作業を行うためには、そのための社内教育もかかせません。ここでは塗装会社が社内教育を充実させる為に役立つ資格や講習内容を紹介していきます。

職長・安全衛生責任者教育

「職長教育」は、新しく職務に就くことになった職長や作業長、世話役など作業員に直接指揮・監督する者に教育する労働安全衛生法で定められた講習です。そして、「安全衛生責任者教育」は、建設業で通常50名以上の混在作業現場(元方事業者労働者と関係請負人の労働者が同一の場所で作業すること)で、関係請負人が選任する者が受ける講習です。こちらも労働安全衛生法で定められているものです。講習は2日間あります。内容は、作業手順の定め方や労働者の適正な配置の方法、指導および教育の方法、作業中における監督・指示の方法、危険性または有害性等の調査方法、またその結果に基づき講ずる措置、設備・作業の具体的な改善方法、異常時における措置、災害発生時における措置、安全衛生責任者の職務等、作業にかかる設備および作業場所の保守管理の方法、労働災害防止についての関心の保持および労働者の創意工夫を引き出す方法、統括安全衛生管理の進め方についてとなります。

ゴンドラ特別教育

高所を塗装する場合、ゴンドラを使用することがあります。ゴンドラで作業するには、労働安全衛生法第59条、「事業主は従業員にゴンドラを操作する業務に就かせる時は、安全のための特別教育を実施する」ことが義務付けられています。講習は、ゴンドラに関する知識やゴンドラ操作に必要な電気に関する知識、関係法令が学科で5時間、ゴンドラの操作方法や設置方法、基本操作の実技で4時間という内容になっており、講習料金はテキスト代を含み税込で13,200円となっています。

自由研削といし特別教育

「自由研削といし特別教育」は、労働安全衛生法第59条で定められた講習です。自由研削といしの取り替えや、取り替え時の試運転業務は、法律で「危険または有害な業務」に指定されており、この講習受講を修了した者のみがその業務に就けないことになっています。講習は、自由研削用といし盤、研削用といし、取り付け具等に関する知識、自由研削用といしの取付方法、試運転の方法に関する知識、関係法令の学科が4時間、自由研削用といしの取受け方法についての実技が2時間という内容となっており、講習料金はテキスト代を含み税込で10,200円となっています。

資格があるからといって完全に信頼してはダメ

これまで、塗装業に関する資格・許可について見てきました。塗装に関しては、ただ単に塗装だけでなく、外壁、雨漏り、高所作業に関する資格など多岐にわたる分野のものが該当しました。これらの資格があれば、顧客にとって業者を選定する上でわかりやすいモノサシであることは間違いありません。ただ資格をとっただけで完全に安心することはおすすめできません。資格や許可が無い業者でも腕のいい業者、真面目に職務に取り組む業者、職人は数多くおり競合となります。

<h2まとめ>資格や許可を取得してより信頼してもらえる塗装業者になろう!

いかがだったでしょうか。
今回は塗装業者に関わる資格や許可について紹介しました。信頼できる塗装業者かどうかを判断する際に、資格や許可を重視するお客様もいます。また資格や許可には技術や作業に関するものから教育に関わるものまで幅広くあります。依頼案件を増やすためには資格をとるだけでなく、クチコミや営業も重要になります。
資格や許可をとり信頼感をあげるとともに、営業や集客施策も行い売り上げアップを目指しましょう!