「塗装業界の女性割合って？」「女性の塗装工の働きやすさは？」「私でもなれるのかな」と気になっている方はいませんか？塗装に問わず建築業は男性中心のイメージがありますよね。でも実はいま塗装女子が増えているんです。今回は塗装業で働く女性の実態と需要が急増している理由を調べてみました。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください。
塗装女子とは？
実際の塗装女子はどのように働いているのでしょうか。まだまだ知らない方も多いと思います。ここでは「塗装女子って？」と「塗装女子の需要の変化」について解説します。
建築業塗装屋で仕事をする女性のこと
「塗装女子」はその名のとおり、建築塗装を担当する女性のことです。塗装業というと男性のイメージを持つ方も多いですが、最近では塗装業に従事する女性が少しずつ増えていることから塗装女子と呼ばれるようになりました。この変化にはどういった背景があるのでしょうか。塗装女子の需要とその理由について調べてみました。
建築業界で塗装女子の需要は爆増している
建築業界で塗装女子の需要は増加しています。ただし塗装業の女性従事者はここ数年でも2割ほどです。令和元年の賃金構造基本統計調査によると、一級建築士の割合は13.8%でした。これは今まで女性に需要がなかったというより、塗装業が男性社会だったことが主な理由です。やはり体力仕事であるため元々男性が中心の業界でした。しかし現在は女性の塗装工も少しずつ増えていて、女性ならではの視点や強みがあるため需要の高まりが見られます。
塗装業は女性に向いているのか？
とはいえ「女性でも建築塗装でやっていけるか心配」という方も多いと思います。重い塗料を運んだり、機材の持ち運びもあるため体力的な面でも心配されている方は多いのではないでしょうか。一方で塗装女子のどういった点が評価されているのか、なぜ需要があるのか深掘りしてみました。
塗装女子の需要が爆増している理由
塗装女子の需要が増えている理由は何でしょうか。そもそも顧客は老若男女問わずいるので女性の塗装工がいてもおかしくないですよね。今回は塗装女子の需要が増えている理由を調べてみました。需要を理解して身につければ、これから塗装工の強みとして生かせられると思います。なかでも需要が増えている理由を三つ紹介するので、ぜひ下記の点を参考にしてみてください。
細かい作業を丁寧に行ってくれる
一つ目は「細かい作業を丁寧に行える」です。作業の細やかさといっても手先の器用さだけではありません。たとえば女性視点だから分かる使いやすさや安全面に目が向けられる点です。特にバスルームやトイレ、キッチンなどにおいて、女性視点は重宝されるでしょう。様々な顧客がいることを考えても、ユーザー目線で細やかな気配りができれば高く評価されるはずです。手先の器用さに関しては塗装工そのものが「綺麗に塗る」ことが基本なので、繊細な作業が重要になります。大雑把な人よりも丁寧に行える人は塗装工に向いているでしょう。
キッチン周りの知識が豊富
二つ目は「キッチン周りの知識が豊富」です。普段どれくらい料理するかは人によりますが、男性より女性の方がキッチンの細部まで把握している傾向が高いです。そのため顧客からキッチン周りをオーダーされた時、顧客の要望をイメージしやすくなるでしょう。普段の経験から想像して、より顧客の要望に合った提案ができれば結果的に顧客満足度が高くなると思います。
女性の顧客も安心できる
三つ目は「女性の顧客も安心できる」です。たとえば現場に塗装工が訪れた際に、女性のお客様が多数の男性に囲まれて萎縮してしまう場合が多々あります。また打ち合わせで要望がある際も言い出しにくい方もいるかもしれません。もし女性の塗装工の方がいれば安心感を与えることもできますし、女性目線で新たに提案できることもあるでしょう。
女性が塗装の仕事をする上で注意すること
では女性が塗装工になる上で注意することはなんでしょうか。あまり実態を知らないまま塗装工になると、塗装業界に入ってからイメージとのギャップに驚くかもしれません。塗装工に興味がある人こそ、以下の注意すべきポイントをよくチェックしてみてください。事前に知っておくことで準備できることや判断できることもあります。
体力仕事が0ではない
やはり一番は体力面でしょうか。建築業界の中では塗装は比較的体力を求められない職種ですが、力仕事が無いわけではありません。普段はペンキなどの塗料を持ち歩いたり、高所まで運んだりするでしょう。基本的に一斗缶は塗料が18ℓも入っているので慣れるまでは大変かもしれません。しかし実際は活躍している女性の塗装工の方もいるため、体力に自信がある女性にはおすすめです。
シンナーの匂いがきつい
シンナーの匂いにもなかなか慣れないかもしれません。匂いがきついだけでなく作業着や髪の毛にも塗料の匂いがつくこともあるでしょう。また塗装で使った刷毛やローラーについた塗料をシンナーで落とすこともあります。屋内で作業するときは特にシンナーの匂いが充満するので、独特の匂いには男女問わず苦労する人も多いです。次第に慣れていく人もいますが、マスクで対応もできるので作業前に準備しておくといいかもしれません。
塗料の汚れが衣服や身体に付く
作業中は塗料の汚れが衣服や身体に付くこともあります。作業服はペンキなどで汚れると思いますが、手や髪の毛にも付着すると思った方がいいでしょう。問題は汚れではなく人によって肌が荒れてしまうことです。刷毛やローラーの塗料を洗い落とす時に使用するシンナーで肌荒れを起こす可能性があります。ただ掃除の際はゴム手袋を使うようにすれば対応できるでしょう。
高所作業の可能性もある
塗装作業には高所作業も含まれます。外壁や屋根、ビルなど高い場所には足場を組んで塗装作業を行います。こうした場所では足場は特に重要です。落下しにくい足場を作るだけでなく、作業しやすいように組み立てる必要があります。また新築では業者に依頼しますが、リフォームで壁や屋根を塗り替える際は塗装屋が足場を組みます。もちろん足場を組み立てるのも、安全面に考慮して行わなければなりません。このように高所作業が多いのは覚悟しておきましょう。
日焼けをする
塗装工は屋外で作業する分、日焼けしやすいです。一年を通して屋外作業が多く、日焼けはまず避けられないと思います。また肌だけでなく髪の毛も傷みやすいでしょう。夏場でも直射日光を浴びながら作業しなければならないので、日焼け止めが汗で落ちてしまう可能性もあります。体質的に肌が弱い人は特に注意が必要です。塗装工として働くのに問題ないか自分の体質ともよく相談してみてください。
トイレが近くにない場合もある
意外と大変なのがトイレ事情です。新築工事の場合は簡易トイレが設置されていますが、一般住宅などの狭い建築現場や塗り替え工事などは簡易トイレがほぼありません。単純にスペースの関係で置くことができないからです。かといってお客様のトイレを借りることもできないので、基本は公園やコンビニのトイレを利用しています。大きな建築現場では男女別の簡易トイレが設置される場所もありますがまだまだ少ないでしょう。塗装工になる前にトイレの現状は知っておいてもいいかもしれません。
更衣室の用意がないことも
女性用の更衣室がないこともあります。塗装業は元々男性中心の業界だったため、男性の塗装工だけを前提とした環境が多いです。その一つとして女性用更衣室がないことが挙げられます。この場合、男性の着替えが終わった後に場所を借りて着替える人も多いようです。驚く方もいると思いますが、この辺りの現状も事前に知っておくとよいでしょう。
塗装女子が塗装屋の就職先を探す際のポイント
塗装女子が塗装屋を選ぶ際、どんな点に気をつければよいでしょうか。就職先を探すときに事前に知っておいた方がいいこと、選ぶ基準となるものを集めてみました。もし全て当てはまる会社があれば働きやすい環境といえそうです。求人情報だけでなく面接で確認したり、他社と比較したりしてみてください。今回はチェックすべきポイントを4つ紹介します。
朝が早いため通いやすい
まず塗装工の仕事は一般的な仕事と比べて朝が早いです。他の業種でも職場の通いやすさは重視するポイントかと思いますが、朝が早い分より注意して見たほうが良さそうです。冬は早朝でもまだ暗いので、自宅からの通勤時間や通勤経路を確認しておきましょう。また体力仕事になるので長い通勤時間は身体にも負担がかかります。安全面や体力面において通いやすさは外せません。
女性がすでに働いている
女性の塗装工がすでに働いている場合、もしくは女性塗装工を雇ったことがある塗装屋の方が環境が整っている可能性が高いでしょう。男性がメインの塗装業で女性の塗装工を雇ったことがない塗装屋も多いです。雇用実績がなければ働きにくい訳ではありませんが、一から今までの環境や制度を見直すには意識改革も必要です。はじめは特に環境を整える時間がかかるため、働きやすさを考えると女性の雇用実績は確認しておくといいかもしれません。
男女の平等に見てくれる
言うまでもなく「男女平等に評価しているか」は確認すべき事項です。しかし重要な割に求人情報や面接だけでは判断が難しい項目でもあります。ただ一番判断しやすい点は給与面ではないでしょうか。仕事内容が給与面にきちんと反映されていれば一つの判断材料になります。同じ仕事内容で給与面が男女で異なっていればおかしいですし、他社とも給与比較をしてみてはどうでしょうか。
結婚・子育てとの両立はできるかどうか
また結婚・育児との両立も気になりますよね。もちろん男性も重視すべきポイントですが、出産に関してはどうしても女性に身体的・精神的な負担が大きくなります。さらに出産する際の産休や子育ての育休はどうしても仕事を休まなければなりません。その間の制度についても事前に確認しておくとよいでしょう。
現在塗装女子の需要は高まっている！
いかがだったでしょうか。現在の塗装工の実態から塗装女子に興味を持っていただけたら幸いです。もともと男性が多かった建築業界において、女性視点が加わることは顧客にとっても良い利益をもたらすでしょう。そもそも顧客は男女問わずいるので、塗装工に男女両方の視点があれば顧客の希望をより汲み取りやすくなると思います。こういった状況も含めて塗装女子の需要はますます増えていくはずです。もし塗装業界に興味があれば、就職する際のチェックポイントなども参考にしてみてください。塗装業界にも多様性が生まれればさらに発展していくでしょう。これから塗装工で活躍する方を応援しています！
