外壁塗装会社の経営支援サービス-ソトエル

塗装業の原価率はどのくらい?利益を最大限確保する6つのポイント

塗装業を営む方の中には
「毎月仕事を多く受注しているにも関わらず、利益が全然残らない」
「原価率が高くて困っている」
といった悩みを抱えている方もいるかもしれません。
原価率はその会社の利益にも直結する非常に重要な数値となります。今回は塗装業の原価率はどのくらいなのかや、利益を最大限確保するためのポイントについて徹底的に解説していきます。

塗装業の原価率は60~70%が目安

塗装業における原価率は60%〜70%が目安となります。そのため利益率の目安は35%前後となります。
建設業全体で見ると、原価率は80%前後が平均になります。建設業の中では塗装業における原価率は比較的低い数字と考えられるでしょう。しかし、建設業以外の業種、不動産業や情報通信業の原価率は50%前後となるので、業種別で考えると建設業全体の原価率は高く、利益率は低い傾向にあると考えられます。

原価率とは

そもそも原価率とはどんな数値を指すのでしょうか。塗装業においては、外壁塗装工事などの工事を行う際に業者側が負担する費用、つまり「原価」が発生します。原価率とは売上の中でこの原価にかかる費用がどれくらい占めているのかを表す数値のことです。
この原価率が低ければ低いほど収益性は高くなります。逆に原価率が高くなりすぎると、利益は全く残らなくなってしまいます。原価率を把握できるようになれば、適正な価格も分かるようになります。

塗装業の原価率の内訳

では、具体的には原価率にはどのような内訳があるのか見ていきましょう。
原価率の内訳は人件費、材料費、足場費、営業費などが該当します。これらについてそれぞれ詳しく説明していきます。

人件費30%

まず、はじめに原価としてかかってくる費用が人件費です。人件費の原価率は30%ほどになります。外壁塗装業界の人件費は1日1人あたり15000円から2万円程度が相場になります。一般的な住宅の外壁塗装工事では一つの工事を完了させるのに30万円から50万円程度の人件費が必要になります。しかし、工期が遅れたり余計な人件費がかかってしまうと、さらに原価率が高くなり、利益も減ってしまいます。この人件費は建設・建築業界ではなかなか抑えることが難しいという現状があります。

材料費20%

次に材料費が挙げられます。塗装業の材料費の原価率は20%前後になります。この材料費のほとんどが塗料代にあたります。塗料の他には、ハケやローラー、養生テープやコーキング剤などといった道具や材料が含まれます。
塗料代も塗装業にとっては絶対に削ることのできない原価です。塗料を適切な量使わないと施工不良など工事の質が落ちる可能性があるためです。

足場費10%

外壁塗装、屋根塗装においては足場代も必要になります。足場の設置は多くの材料を必要とするため、足場工事専門の業者に外注することも多くあります。この場合もやはり削ることが難しい費用となります。

営業費10%

塗装業においては、売上をあげるために営業を行うことで案件を獲得することも必要となります。そのため、営業するにあたって営業マンの人件費や案件獲得の際のボーナス費用、促販商材の購入費といった費用がかかってきます。この場合、費用対効果の高い集客方法を行うといった方法で営業費を削減することもできるでしょう。

塗装業で利益率が低い時に考えられる3つの原因

塗装業においては、利益率がなかなか上がらず、お悩みの方もいるでしょう。ここでは塗装業で利益率が低い時に考えられる原因を紹介していきます。
利益率が低くなる原因は以下の3つがあげられます。
・下請けの仕事ばかり受注している
・経費がかかりすぎている
・無理な値下げを行っている
それぞれについて詳しく説明します。

下請けの仕事ばかり受注している

まず、外壁塗装業者の利益率が低い原因は、下請けで仕事を引き受けていることがあげられます。
外壁塗装業を始め、建設業全体では下請け構造が一般的となっております。下請け業者は基本的に元請けの言い値で受注するため、コスト削減以外に利益率を高める方法がありません。しかし、コスト削減にも限界があるので、利益率を効果的に高めるためには、元請けになる必要があります。

経費がかかりすぎている

経費が多くかかりすぎている場合も、利益率が下がってしまいます。例えば工事の作業効率が悪く余計な人件費がかかっている場合、塗料を仕入れる時に高い仕入れ値で購入している場合、効果が出てない営業方法や広告に多額の費用を払っている場合などは無駄な経費がかかっている状態と言えます。一つ一つ見直していきましょう。

無理な値下げを行っている

案件を獲得するために工事の価格を無理に値下げしている場合も、利益率が上がらない原因となります。外壁塗装の場合は価格競争がとくに厳しく、低単価で案件を引き受ける場合もあるかもしれません。しかし、一度値下げをしてしまうと、価格を元に戻すことが難しくなってしまいます。低単価案件をたくさん引き受けるのではなく、他者と差別化を行い付加価値をつけることで、利益率を上げていくようにしましょう。

塗装業で利益を最大限確保する5つのポイント

最後に塗装業で利益を最大限確保するためのポイントについて解説していきます。
塗装業の利益を最大限にするには、
・元請の仕事を増やす
・自社の強みを強化し、販売単価を上げる
・職人の採用と育成を行ない外注費を削減する
・仕入れ(材料費)の価格交渉をする
・広告宣伝費に無駄がないか定期的に見直す
といったことがあげられます。
それぞれについて分かりやすく説明していきます。

元請けの仕事を増やす

上記でも説明したように、下請けの仕事はコスト削減以外に利益率を高めることが難しいのが現状です。その結果、利益率が下がる原因となります。利益を最大限にしたい場合は下請けから脱却して元請けを目指すようにしましょう。
元請けの仕事を増やすには、まずはハードルの低いBtoC向けに営業活動を行うのがおすすめです。
個人宅の外壁塗装案件を受注することで元請けとなり、自社で販売価格を定められるようになりましょう。

自社の強みを強化し販売単価を上げる

販売単価を上げることも利益率を上げるためのポイントとなります。販売単価を上げることができれば、原価率や経費を下げなくても利益率を上げることが可能です。まずは自社の特徴やサービスを分析し、得意な領域やサービスを強化していきましょう。他社にはない強みを打ち出し差別化することで、販売単価をあげてもそれに価値を感じる顧客から案件を獲得することが可能になります。顧客からの要望を分析し、どんなサービスのニーズがあるのかを考えるとよいでしょう。

職人の採用と育成を行い外注費を削減する

塗装業においては、人件費が原価のなかで大きな割合を占めます。職人がおらず、工事の度に外注していると、余計な人件費がかかります。自社で職人を採用し、育成を行うことで人件費を削減しましょう。多くの案件を安定して獲得するためには、多くの案件にしっかりと対応できる社内体制を整えることも重要です。

仕入れ(材料費)の価格交渉をする

原価の中でも材料費も大きな割合を占めるので、仕入れ値を下げることも利益率を上げることにつながります。市場には多くの塗料が出回っていますが、そのなかでも「差別化塗料」において価格交渉を行うと良いでしょう。差別化塗料とは他社と差別化するために作られた塗料で、一般塗料よりも高価で機能性が高いといった特徴があります。ただし、実際には似たような種類の塗料が多くあるので、差別化は出来ていないと考えられます。そこで専門の販売代理店に価格交渉を行うことで、販売価格から数%程度、値下げを行ってもらえる可能性があります。

広告宣伝費に無駄がないか定期的に見直す

広告や宣伝費用に無駄がないか、定期的に見直すことも効果的です。効果があまり出ていない広告や集客費用を多く支払っている場合は、より費用対効果が高い手法に切り替えるなどして見直しましょう。例えば、チラシ配布などで効果が出ていない場合はリスティング広告を出稿するといった方法を検討するのもよいでしょう。

原価率を最適化し、利益を最大限確保しよう!

いかがだったでしょうか。今回は塗装業における原価率について詳しく説明しました。塗装業における原価率の目安は60%〜70%となっています。原価には人件費や材料費、足場費といったものが入っています。下請けばかりの仕事を受注している、経費がかかりすぎている、低単価な案件ばかりを受注しているといったことは利益率が低くなってしまう原因となります。元請けの仕事を増やす、集客方法を見直すといった方法で、原価率を改善させ、利益を最大限確保するようにしましょう!