インターネットの普及により求職者の多くが色々な企業の求人情報を比較検討しながら応募するようになっています。
このような状況の中では、求人情報でどれだけ求職者の心を掴めるかどうかが優秀な人材採用のための大切なポイントとなります。
「求人を出してもなかなか良い人材が集まらない」
「そもそも応募人数が増えない」
「採用しても会社と相性が悪くすぐに離職してしまう」
このような悩みを抱えている企業の方も多くいるでしょう。今回は応募数を増やすために、思わず求職者が目を留めてしまうような応募文言作成のポイントを紹介します。
応募が多い求人の7つのポイント
応募が多く来るような求人票には共通した特徴があります。例えば自社の魅力をしっかりアピールしている事やターゲットを明確にし、分かりやすい言葉を使うなどといったことです。以下、応募が多くくる求人作成の7つのポイントを紹介していきます。
募集ターゲットが明確になっている
まずはどのような人に求人をアピールするのかというようにターゲットを明確にすることが大切です。年齢や性別、スキルや資格、人物像などの希望条件を洗い出し、どのような人を採用したいか明確にしておきましょう。「PCスキルの高い事務職経験のある20代女性」、「営業のマネジメント経験のある30代男性」といったように具体的にイメージするとどのような求人をすればいいのか分かるようになります。ただし採用したい年齢や性別を具体的に公にすることはできないので注意しましょう。
自社の強みをアピールしている
次にターゲットに刺さる自社の強みをアピールしましょう。求職者はインターネットなどを使って様々な会社の求人情報を比較しています。そんななかで求職者に安心感を与え、魅力的な会社だと思わせるためには自社のアピールポイントを整理し、情報を見える化しましょう。
業務内容が具体的に記載されている
求職者に「この会社に応募したい」と思わせられるよう、企業ごとに業務内容や業務の流れ、業務範囲などを具体的に記載しましょう。業務内容を具体的に書くことで求職者に安心感を与えることができます。
難しい言葉を使いすぎない
専門用語や社内特有の言葉を使うのはやめましょう。仕事内容などをイメージしやすいよう誰にでも分かるような言葉を使うことを心がけましょう。また一文が長すぎると最後まで読まれない可能性が高くなります。文章は難しい言葉を使わずに簡潔に書くようにしましょう。原稿を作成し終えた後は必ず複数人でチェックし、正しく情報が伝わるか確認しましょう。
数字や実績など具体的に記載されている
求人情報には具体的な数字を入れると説得力が増します。月給30万円とただ書くのではなく、年齢別の年収例なども記載するとより分かりやすくなります。また実績も具体的な数字で記載し、会社の強みをアピールしましょう。
写真で職場の雰囲気が伝わる
写真や動画は視覚的に会社や職場の雰囲気を伝えるのに効果的です。写真がなければ、スマホを使って撮影しましょう。写真を掲載する時は社員が暗い表情をしていないかを確認してから掲載しましょう。写真を見て求職者が、「温かい雰囲気の会社だな」と感じるような写真を撮影・選択しましょう。
自分にもできそうと思わせる文言
募集文言には「自分にもできそうだ」という簡便性を持たせることが大切です。たとえ技術系の仕事だったとしても、理系の人に限定して採用するのではなく、文系の人からの応募も受け入れる雰囲気が伝わるような文言にしましょう。例えば、「文系の方も募集しています」や「一緒に成長していきましょう」など応募者を受け入れているような文言を織り込んでみてください。そうすることで、誰からでも「応募したい」と思ってもらえる求人を作成することができます。
福利厚生や手当などがきちんと記載されている
求職者が重要視する福利厚生や手当を具体的に記載することはとても大切です。とくに家族手当や資格手当など収入にプラスになるものがあれば必ず記載するようにしましょう。給与が前払い制であれば、求職者にとっては急な出費があったときでも対応しやすくなり、メリットがあります。このような待遇面は近年、応募者から注目度が高い項目でもあります。社内の情報と相違がないようしっかりと記載することを心がけましょう。
求人に記載必須の6つの項目
企業が求人募集をするには、求人票の作成が必須となりますが、その求人票には記載必須の項目が6つあります。この記載必須の項目は職業安定法によって定められています。具体的には、
- 業務内容
- 労働契約期間
- 就業場所
- 就業時間、時間外労働の有無、休憩時間や休日
- 賃金額
- 健康保険、厚生年金、労災保険雇用保険の適用について
の情報です。
以下、それぞれの内容について詳しく解説していきます。
業務内容
業務内容は求人募集する職種とその業務内容の詳細を記載していきます。誰にでも伝わるような言葉を使い、簡潔に分かりやすく記載しましょう。
労働契約期間
契約社員の場合は契約期間終了後、雇用を更新できるかどうかなども記載します。正社員の場合は期間の定めはありません。また試用期間の有無と試用期間の期間についても記載する必要があります。
就業場所
どこで仕事をするのか、その場所を記載します。事業所とは違う場所で仕事する場合などは記載に注意しましょう。
就業時間、時間外労働の有無、休憩時間や休日
就業時間は何時間なのか、また時間労働はあるのか、あるとすればどのぐらい時間外労働があるのか、休憩時間はどの位か、休日はどのぐらい取れるのかといったことを具体的に記載します。これらの項目も労働基準法に違反すると掲載できないので、内容をしっかりと確認し、求人票作成を行いましょう。
賃金額
具体的な月給や時給などについて記載していきます。固定残業代がの制度が採用されている場合は、基本給(手当を除く)と手当、時間外労働の割増賃金についての記載が必要となります。また、年齢別の年収例などもあると求職者にとって分かりやすくなります。インセンティブや昇給、賞与もあわせて記載するといいでしょう。賃金額も求職者から注目度の高い項目になります。
健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険の適用について
健康保険や厚生年金労災保険や雇用保険の加入について詳しく記載します。こうした福利厚生の項目も充実していれば求職者にアピール出来る項目になります。
これだけは気をつけて!記載NGの文言
求人を作成する上では、法律で記載が禁止されている事項があります。こうしたNG項目の記載は法律違反になるだけでなく、応募数が減ることもあります。また最悪の場合、自社のイメージの損失などにつながる可能性があるため、求人票を作成する場合には十分注意する必要があります。ここでは求人票でNGとなる文言や記載について説明していきます。
第三者の権利を侵害する内容
求人票の内容は著作物に該当します。そのため、他社の求人内容をそのまま無断でコピーして記載してしまうと、著作権侵害になってしまいます。このような第三者の権利を侵害するような内容の記載は、絶対に避けましょう。また、他社の求人内容をそのまま使ってしまうと、それぞれの会社によってイメージする人材や希望条件が様々なため、自社が採用したいと思う人材からの応募が来なくなってしまう可能性もあります。他社との差別化を図るためや自社の条件に合った人材を採用するために、独自性のある求人票を作成しましょう。
労働条件の虚偽の内容
労働条件に虚偽の内容を記載することはやめましょう。例えば時給1000円で週払いのみ可能な労働条件なのに「時給1500円以上」と記載したり、「即日払い可能」といったように実態とは違う条件を記載してしまうことは禁止されています。虚偽の内容を記載すると、入社後にトラブルになることもあります。また、自社のイメージを悪くする可能性もあります。求職者に事実を誤認させて、応募を促すようなことはやめましょう。
性差別の表現
雇用機会均等のために差別的な求人を掲載するのも禁止されています。具体的には、性別や年齢による就業差別や国籍、人種、身体的特徴によって差別することです。このような記載は、雇用対策法や男女雇用機会均等法によって禁止されているだけではなく、会社のイメージも損なわれる可能性が大いにあります。
ただし、どちらかの性別でなければいけない職業や年齢制限が必要な職業に対しては合理性が認められているものであれば、例外的に、年齢や性別を制限することが認められています。例えば警備員の会社で男性のみ応募可能という募集は、防犯上の要請から男性に従事させることが必要と考えられるため問題はありません。このように限定的な求人の募集をする場合は、合理的な理由も合わせて記載する必要があります。
年齢制限の表現
年齢に関わりなく均等な雇用機会を与えるために雇用対策法の改正が行われ、年齢制限の禁止が義務化されています。また、年齢制限を設けず、幅広い年代から募集することは、求職者と企業のどちらにもメリットがあります。
ただし、雇用対策法施行規則の例外事由に基づいて、年齢制限が認められているケースもあります。これは採用予定の人に対して雇用期間を定めないことを前提にして、新卒者もしくは45歳未満の方を長期勤務によるキャリア形成するために年齢制限を設けることができるという特例です。
このような特例を除いては「〇歳以下の方を募集」というような記載は禁止されているので注意しましょう。
求人募集の文言を魅力的なものにし、求職者の応募数を増やそう!
いかがだったでしょうか。多くの求職者を引きつけるような魅力的な求人募集にするには、記載する内容や文言を工夫する必要があります。例えば難しい言葉を使わず、具体的な数字を記載することや職場や会社の雰囲気が伝わるような写真を入れることです。また、求人募集を作成する際には記載が必須の項目があります。さらに記載してはいけない禁止の文言もあるので、そういったことに注意し、魅力的な募集を求人を作成しましょう。