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防水工事業の建設業許可について解説!業種内容や取得要件も

防水工事業は建設業のうちの一つに該当する事業であり、建物の耐久性や美観を保つために防水工事を行う事業です。防水工事業を「軽微な建設工事」以外の事業として請け負うためには、国土交通大臣、若しくは都道府県知事の許可が必要です。また、これらの許可を得るために、一定の取得要件が課されています。さらに、防水工事業としての業務内容も多岐にわたります。本記事では、防水工事業の建設業許可について解説すると共に、防水工事業の業種内容と取得条件についても詳しく解説します。

防水工事業の建設業許可とは

防水工事業の建設業許可には、一般建設業の許可と、特定建設業の許可があります。
一般建設業の許可とは、発注者から直接工事を請け負った際に、1件の建設工事につき合計額が4,000万円未満(建築一式工事の場合は6,000万円未満)の工事を下請に出す場合、工事を全て自社で施工する場合、または下請けとしてだけ工事を行う場合に、取得が義務付けられている許可のことです。
一方で、特定建設業の許可とは、発注者から直接工事を請け負った際に、1件の建設工事につき合計額が4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の工事を下請に出す場合に、取得が義務付けられている許可のことです。

建設業許可の要件

防水工事業における建設業許可の要件は以下の5つになります。

  1. 経営業務の管理責任者
  2. 誠実性
  3. 欠格要件
  4. 専任技術者
  5. 財産要件

経営業務の管理責任者・誠実性・欠格要件については、一般建設業の許可、特定建設業の許可に関わらず同じ要件となります。その一方で、専任技術者、財産要件については、一般建設業の許可と特定建設業の許可とで異なる要件となります。また、これらの要件においても、申請者が個人の場合と法人の場合とで異なる点があります。

5年以上の経営経験がある管理責任者がいる

この要件は、経営業務の管理責任者の要件の一つです。経営業務の管理責任者になるためには、建設業に関する経営者としての経験が、5年以上もしくは7年以上あることが必要となります。具体的には、許可を受けようとする業種による経験の場合は5年以上の経験、それ以外の建設業に関する経験の場合は7年以上の経験となります。また、経営者としての経験とは、法人の役員や個人事業主としての経験をいいます。これらの経験については、登記簿謄本や確定申告書をもちいて証明します。

専任技術者を雇用している

この要件も、経営業務の管理責任者の要件の一つですが、一般建設業許可と特定建設業許可では、専任技術者として必要な条件が異なります。具体的には、専任技術者として認められるための資格が異なる、実務的な監督経験の有無や、実務経験年数の違いなどがあります。さらに、実際の実務が建設業法で規定されている防水工事業に該当しない場合、実務経験として認められない点にも、注意する必要があります。また、専任技術者を雇用している、という要件については、営業所毎に常勤でいることが要求されています。

一般建設業で取得する場合

一般建設業で取得する場合、以下の3つの条件のうちのいずれかを満たす必要があります。

条件1:資格保有者

  • 1級建築施工管理技士
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 技能検定 防水施工
  • 基幹技能者 登録防水基幹技能者
  • 基幹技能者 登録外壁仕上基幹技能者

条件2:土木工学または建築学などに関する学科を卒業後一定期間の実務経験がある

  • 大学卒業後、防水工事に関する3年以上の実務経験
  • 高校卒業後、防水工事に関する5年以上の実務経験

条件3:防水工事業に関する10年以上の実務経験がある

  • アスファルト防水工事
  • モルタル防水工事
  • シーリング工事
  • シート防水工事
  • 注入防水工事
  • 塗膜防水工事

特定建設業で取得する場合

特定建設業で取得する場合、以下の2つの条件のうちのいずれかを満たす必要があります。

条件1:資格保有者(1級建築施工管理技士)

※1級建築施工管理技士は、施工管理などを行うこともできる資格です。

条件2:条件を満たす請負工事の指導監督的な実務経験が2年以上
防水工事業の場合、以下の条件を満たす実務経験が要求されます。

  • 請負金額が4,500万円以上ある
  • 発注者から直接工事を請け負っている
  • 指導監督的な立場の実務経験が2年以上ある
  • 一般建設業の条件を満たしている

請負契約に関して誠実性がある

この要件は、受注から完成までに長い時間がかかること、1件あたりの契約金額が高額であるため、要求されています。
建設業許可を受ける際には、請負契約において詐欺や恐喝などの違法な行為を過去にしていないことや、工期や工事内容等の請負契約に違反する行為をしていないことを証明する必要があります。
また、建築士法や宅地建物取引業法等により、直近の5年以内に免許等の取消処分を受けた方については、誠実性がないとみなされ、建設業許可の取得をすることはできません。

財産的基礎、金銭的信用がある

一般建設業で許可を取得する場合には、以下の1-3のうちのいずれか1つを満たせば要件を満たします。

  1. 直前の決算において自己資本の額が500万円以上である
  2. 500万円以上の資金調達能力がある
  3. 過去5年間、建設業許可を受けて継続して営業した実績がある

また、特定建設業で許可を取得する場合には、以下の1-4の全てを満たす必要があります。

  1. 欠損の額が資本金の20%を超えない
  2. 流動比率が70%以上である
  3. 資本金の額が2000万円以上である
  4. 自己資本の額が4000万円以上である

欠格要件に当てはまらない

許可申請者が法人の場合は役員の中に、個人の場合は事業主本人において、以下の事項のいずれかに該当する人がいる場合には、建設業許可を取得することできません。

  • 成年被後見人もしくは被保佐人、または破産者で復権を得ない者
  • 不正が原因で建設業許可を取り消され、その後5年が経過していない者
  • 許可の取り消しを避けるためにわざと廃業し、その後5年が経過してない者
  • 営業停止処分を受け、その停止期間が経過してない者
  • 禁錮以上の刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくは執行猶予期間が満了してから、5年が経過してない者
  • 建設業法、建築基準法、労働基準法、労働者派遣法、刑法などの法律に違反して罰金刑を受け、その刑の執行が終わり、もしくはその刑の執行を受けなくなってから5年が経過してない者

建設業許可を取得することで大規模な工事案件を受注できる!

防水工事業は、建物の耐久性や美観を保つために、水のトラブルから建物を守る工事であり、大変魅力的な仕事です。防水工事業では、請負金額から建設業許可の取得が必要のないケースもあるため、あえて許可の申請をしていない方もいるかもしれません。

しかし、建設業許可を取得することで、防水工事の施工能力をアピールすることができたり、公共工事を入札できるチャンスや、大規模が工事案件を受注することができるなどのメリットがあります。事業者の皆様も、建設業の許可について積極的に検討してみてはいかがでしょうか。