防水工事を行う防水工としての平均年収は、433万円と全国平均よりもやや低い金額となります。ですが、年齢、地域によっても異なりますので一概に低いとはいえない面もあるということがあげられます。ただ、防水工の求人倍率は、一般職種よりも高い傾向があるのも特徴になります。加えて、仕事としての建物の新築、修繕、最近では、都市緑地法によるところの公共事業などの需要が多いのも事実としてあげられます。技術を身につけ、実績を積み重ねることで年収を上げることにもなります。ここでは、防水工事の年収および、年収を上げる手段などを詳しく解説していきます。
防水工事業の年収は?
防水工の平均年収は、433万円になります。年齢や地域によって異なることも現実として存在します。ここでは、防水工の年収について詳しく述べていきます。
防水工の平均年収
防水工の平均年収は、433万円になります。全国平均年収が、436万円になるのでやや低い金額になっていることが分かります。
次は、年齢別の年収について述べていきます。
防水工の年齢別の年収
厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査によると、防水工事の年代別の平均年収は以下の通りになります。
- 25歳~29歳 369万円
- 30歳~34歳 397万円
- 40歳~45歳 433万円
- 50歳~54歳 458万円
年齢によって変わるのは技術、経験などの差があるのでこういう結果になることがあげられます。実績や、経験が必要になりそれが金額として反映されるということです。
では、次に地域別の年収も述べていきます。
防水工の地域別年収
防水工の平均年収は、Indeed(インディード)で検索すると以下のようになりました。
- 全国平均 423万円
- 東京都 430万円
- 埼玉県 436万円
- 千葉県 460万円
- 北海道 388万円
- 宮城県 316万円
- 大阪府 354万円
- 福岡県 342万円
結果として関東圏は、全国平均よりも少し高い金額になっていました。地域によって金額の違いがあるということがあげられます。どれだけの需要があるかによって金額は変わってくることがあげられます。ですが、年収を上げる手段がない訳ではありません。次に防水工事業の仕事の需要があるという理由について述べていきます。
防水工事業の将来性は?
防水工事業の需要は多くあります。その理由として以下のことがあげられます。
- 需要が安定している
- 都市緑地法による緑地化の推進
この2つがあげられます。
次に、この2つについて詳しく述べていきます。
日本は降水量が多く防水工事の需要が高い
令和2年度の厚生労働省が防水工事業の有効求人倍率は、8.88倍という数字が公開されています。一般職種の有効求人倍率は1.1~1.2倍なので、需要はかなり高いことになります。しかも、日本は地震が多く、台風などの自然現象が頻繫に発生する国です。そのため、防水工事が突発的に必要になる可能性があります。また、新築の建物に防水工事は必ず施工されます。それだけでなく、古くなれば修繕工事も必要になるので、防水工事の需要が今後なくなることはないでしょう。
緑地化推進に比例し今後も需要は高まる
都市緑地法とは、良質な生活環境を保つ為に、都市の緑地を保全したり、推進したりするのを目的とした法律になります。緑化には水分が欠かせないので、防水工事を行う必要があります。そうした法律の定める条件を満たすことで、助成金や支援を受けることができるようになります。それに、最近は緑化事業がかなり進んでいるので、需要は高まりつつある傾向にあります。
将来性がある防水工事業で年収を上げるには
防水工事業で年収を上げることは可能です。年収を上げるためにすべきこととしてあげられるのは以下の通りです。
- 賃金の高い企業に転職する
- 資格を取得して自身の単価を上げる
- 独立して、一人親方として働く
この3つがあげられます。
次にこの3つについて詳しく述べていきます。
今よりも給料の高い会社に転職する
防水工は、年齢、地域や企業によっても賃金の金額が変わってくるということが特徴になります。そこで、年収を上げるには、自身の技術を磨き、経験を積むことが重要になります。それらの実績が伴えば、より単価の高い会社に転職することが可能になります。
資格を取得して単価を上げる
年収を上げるには、資格を取得することも重要になります。資格を取得することで、自身の知識を増やし評価につなげることができれば、単価を上げることにもなります。防水工が取得して自身の強みになる資格としてあげられるのは、以下の通りです。
- 防水施工技能士
- 危険物取扱者
- 有機溶剤作業主任者
- 建築施工管理技士
この4つがあげられます。
次に、この4つについて詳しく述べていきます。
防水施工技能士
防水工事に関する習得レベルが、評価される国家資格になります。施工方法、塗料の取扱い方、法令や建築等が試験内容に含まれています。その試験を受けるには、1級は実務経験が7年以上、2級は2年以上の実務経験が必要になります。多くの場合、防水工として働きながら取得していることが特徴としてあげられます。企業によっては、手当、昇進や昇給の要因になります。
危険物取扱者
防水工事では、ウレタン防水材料等の身体に害をなすとされる危険な材料を扱う事案も発生します。そこで、この資格を持つことで実務が可能になります。甲種、乙種、丙種の3つからなり、甲種はすべての危険物の取り扱い、現場の立ち合いもできるようになります。ただ、その分試験の難易度は高くなります。ですが、取得できれば仕事の幅が広がることにもなります。
有機溶剤作業主任者
労働安全衛生法により定められた国家資格になります。全国の労働基準協会が主催する講習会に参加し、終了試験に合格することが必要になります。有機溶剤を使用する際には、有機溶剤作業主任者を設置するのが義務化されています。防水層にも有機溶剤を使用するので、取得しておくと便利になりますし、受注することのできる仕事を増やすことにもつながります。
建築施工管理技士
防水工事業の許可を取得するには、建築施工管理技士の資格が必要になります。1級と2級があります。1級を取得すれば、主任技能者、管理技能者になることも可能になります。資格を持つことで、高単価の企業への就職にも有利になります。企業を拡大していくためには重要な資格となります。1級は、2級の資格を取得した上での実務経験が必須になりますので、ある程度の段階を踏むことで資格を取得できるようになります。
独立して起業する
防水工として、独立して働くことも年収を上げることにもなります。防水工事は、技術や経験を積んでいくことが重要になります。独立して起業することで、資格、技術、経験が伴っていれば、安定した仕事を受注することが可能になります。そうすれば、年収を上げることにもなります。
では、次に独立する上で、意識しなければならないことについて述べていきます。
防水工事業で独立する時のポイント
防水工事業で独立する上で、大切なポイントとなることをあげると以下の通りになります。
資格を取得すること
独立支援のサポートを利用する
人脈を活用する
この3つがあげられます。
次に、この3つについて詳しく述べていきます。
資格を取得してから独立する
独立して起業する前に、ある程度の資格を取得してから独立することが、手段としてあげられます。防水施工技能士の資格を持つことで、多くの仕事を受注することも可能になります。有機溶剤作業主任者の資格も現場には必ず必要となるので、その資格を獲得することも仕事の幅を広げることにもなります。それらの資格を獲得してから独立することで、多くの仕事を受注することの強みになります。
独立支援サポートを活用する
防水工事業は、建設業界では珍しく、資格支援、独立へのサポートが充実している企業が多いのが特徴になります。若いうちからの就業率が多いので、早い段階で独立する場合も多く見受けられます、そのため若くても違和感なく独立することも可能になります。
会社員時代の人脈を大切にする
企業に就職した際の人脈は、大切にすることが大切です。それは、次の仕事を受注することにもつながるからです。紹介してもらって仕事を受注することも多いので意識していきましょう。また、人脈を拡げることも重要になります。次の仕事にもつながることを念頭に置いて、交流を深めていくことを心がけていきましょう。
防水工事は今後も需要が高く年収を上げるチャンスはある!
防水工事の年収は、年齢や地域によっても異なります。ですが、防水工事業の求人倍率は、一般的な職種よりも高いのも特徴としてあげられます。加えて、建築物や都市緑地法の影響により、事業の需要が多くなりつつあるのです。それに、日本は地震、台風などの自然災害が多いこともあり、突発的な防水工事が起こる可能性が高いことも特徴としてあげられます。技術を磨き、実績を積み重ねた上で、資格を取得するなどして自身の価値を高めて、給料の高い会社に転職する、もしくは、独立することなどして利益を確保することで、年収を上げることは可能になります。ご自身に合った方法を用いて、年収を上げることを心がけて行動していきましょう!