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塗装屋で独立するための資金はどのくらい必要?上手にやりくりするコツも解説

現在、塗装業で雇われ職人をしている方のなかでも、独立を考えている人は少なくありません。塗装屋は独立をするハードルが比較的低いと言われている業種です。実際に一人親方として活躍している方もたくさんいます。
今回は、塗装屋で独立するために必要な準備資金はどのくらい必要なのか、独立後も成功し続けることができるよう上手にやりくりするコツなど、詳しく解説していきます。

塗装屋で独立する際に必要な資金は?

塗装屋で独立をするときに必要な資金の目安は、500万円ほどと言われています。運転資金を自ら用意するには、会社員時代からコツコツと貯めていく方法と、資本提供をしてもらう方法があります。
個人事業主でも、比較的借入することが容易な日本政策金融公庫の創業融資などはおすすめです。綿密な事業計画をしなければ、審査を通過することは難しいですが、安定した収入を求めるのであれば、どちらにせよ必要なので検討してみるのもいいかもしれません。

作業車や作業道具の費用

塗装屋として独立する際、作業車や作業道具を揃えておく必要があります。作業車はハイエースなどワンボックスを選ぶことが多く、作業道具も高圧洗浄やコンプレッサーなど高額なものが多々あります。現金での購入が難しいのであれば会社員時代にローンを組んでみるという手もあります。作業道具は、はじめのうちはレンタルサービスを利用することで費用を抑えることができます。
独立したばかりのころは社会的信用がなくなり、ローンを組めなくなる可能性があるので、 会社員のうちに組んでおくのもいいかもしれません。

事務所家賃

塗装屋として独立するとき、事務所をどこにするか決めなければいけません。事務所は必ずしも、どこかで借りなければいけないということではありません。自宅の一部を事務所として使用することもできます。
お客様がよく訪問しにくる、仕事とプライベートは完全に分けたい、減価償却費の計算が面倒だなどの理由で事務所を新たに借りる場合は、契約料や家賃が必要となってきます。

塗料や作業道具を保管しておく場所

塗料や作業道具を保管しておく場所も決めておきましょう。基本的に、保管場所は自宅か倉庫になるかと思います。こちらも事務所同様、自宅に仕事の物を置いておきたくないという方や、そもそも自宅に置いておくスペースがないという方は倉庫を借りる必要があります。

倉庫を借りる場合も毎月の利用料が必要となってくるため、初期費用を抑えたい場合は、自宅にスペースを設け保管しておくことをおすすめします。

元請けになってからの年間の資金予算

塗装屋で独立をして、元請けになってからのおおよその年間賃金予算は、約1000万円ほどです。主にかかる経費は、社長と社員の給与・家賃・広告宣伝費・電気や水道、ガソリン代などの諸経費・雑費です。
少なく見積もっても、年間で1000万円前後は経費がかかります。元請けでの仕事が増えれば良いですが、下請けの仕事ばかりだと単価によっては少々しんどいかもしれません。
事業がうまく軌道に乗るまでは、運転資金で補いながらやりくりしていくということになります。

独立のための資金を調達する方法

塗装屋で独立するためには、ある程度の資金が必要です。独立をしたいけれど資金が足りないという場合は、資金を調達して開業資金にあてるという方法もあります。
個人事業主でも、比較的融資を受けやすい資金調達の方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

日本政策金融公庫を利用する

無担保無保証で企業への融資を行ってくれる日本政策金融公庫は、金利も低いため、おすすめです。主に、中小企業や個人事業主に支援する金融機関で、審査をする項目が多く少し時間がかかります。審査には面談があります。

銀行に融資してもらう

銀行に融資してもらう方法は、最も一般的な資金調達方法です。ほとんどの銀行が個人事業主への融資をおこなっています。銀行の融資には、信用保証協会保証付き融資とプロパー融資の2パターンあり、社会的信用度によって、どちらを受けるのか使い分けます。

助成金を利用する

都道府県や市区町村が経営資金を援助してくれる制度があります。自治体によって条件や制度が違うため、公式ホームページなどで確認する必要があります。金利の低い融資などもあるため、個人事業主の資金調達には心強い制度となっています。申し込むには、条件があるため前もって調べておく必要があります。

上手に資金繰りをしていくための重要なポイント

塗装屋として独立するために、特に大切なことはお金が不足してしまわないことです。独立する前によく考えて対処しておかなければ、事業が傾いてしまう恐れもあります。どうやって乗り切るのか、前もって考慮しておきましょう。

独立してから安定した収入を得るまでのあいだは、支出ばかりが増えるという状況に置かれます。初年度のどこかで資金が足りなくなってしまったという難関に差し掛かるといった状況に陥る可能性もあります。この難所をどうやって乗り越えられるのかが重要です。下記のポイントをしっかりと抑えておきましょう。

事業計画を立てる

事業計画を立てる最も大きなメリットは、塗装屋を開業して独立したときの方向性や事業の道筋を客観的に見ることができるという点です。塗装屋をはじめたいという思いをプランニングすることによって、経営プランを整理することができます。いろいろな関係者やあらゆる金融機関に理解してもらい、支援をお願いするときにとても役に立つということも事業計画を立てるメリットとなります。
万が一、事業が行き詰ったときでも計画書を見直すことで解決への手立てが見つかったり、あらたな道を開くこともできます。事業計画を立てることは、事業をはじめるときだけではなく、すでに運営している方たちにとっても向かうべき方向を定める点でとても大切なことです。

仕事の出費で経費計上できるものは計上し節税をする

ここが雇われ職人と独立した一人親方との違いでもあり独立するメリットですが、独立すると仕事の出費を経費で落とすことができるようになります。きちんと経費計上できるものは計上し節税することが可能です。しかしあまりにも売り上げの中で経費の占める割合が多いと税務署から厳密に審査される可能性もあり注意が必要です。経費で落ちないものを無理やり経費計上するなど無茶なことはしない方がよさそうです。リスクを取り独立したメリットを最大限活かすためにも適切に節税しましょう。

単価アップをして売上を上げる

単価が安いと売上が低く、資金サイクルが回らなくなってしまいます。そうなってしまわないように十分に対策をとらなければいけません。売上を伸ばすために、単価を上げることはとても大切です。客数を増やすよりも、単価を上げるほうが効率的です。しかし、単に単価を上げるだけではお客様は納得してくれない場合もあるでしょう。単価を上げる方法として、取引先に直接交渉する方法や、実績や自身の価値を上げ売り込む方法などがあります。

単価交渉をする

塗装屋で独立すると、取引先と単価交渉を直接行うことができます。単価交渉が成立すると、収入アップにつながり資金を増やすことができます。取引先との交渉が成功するように、普段から人脈を広げておきましょう。直接交渉できるチャンスをつかめるよう、コツコツと努力をしておくことが大切です。

また、単価交渉がうまくいくように、テクニックを身につけておくことも重要です。ただ単に、頼み込むだけでは交渉が成立する可能性は低いでしょう。自分の強みをとことんアピールすること、取引先のニーズにこたえられるよう努力しましょう。

資格の取得や技術力の向上に努める

塗装屋で独立するために、取得しなければいけない資格というものはありません。しかし、単価アップを狙うのであれば、資格を取得しておくことをおすすめします。
国家資格の一級・二級塗装技能士や、民間資格の外壁塗装診断士などの資格は、取得しておくと信頼感があり単価アップも期待できます。資格を取得するだけではなく、実績を積み、技術力の向上に努めることでアピールポイントができ、それを売り込むことによって単価を上げやすくなります。

借入は計画的に行う

塗装屋として開業するとき、自分では開業資金が十分に用意できず、金融機関から融資してもらうことも少なくありません。当たり前ですが、融資は返さなければいけないお金です。当然、たくさん借入をすればたくさん返さなければいけません。すなわち、返せる分の金額しか借りることができません。計画も立てず借入をしてしまうと、借金がかさみ返すことが困難になってしまうこともあります。金融機関などから融資を受けるときは、きちんと計画をして見通しをたてて行うようにしましょう。

現場ごとに原価管理をきちんと行う

塗装屋にとって原価管理はとても大切です。原価管理がきちんとできていなければ、利益が少なくなってしまい、経営難になって借金もかさんでしまいます。原価管理とは、原価の基準を設定してこれを示し、原価の実際に発生した金額を計算し記録して、これを基準と照らし合わせ、その違いの原因を精査して、原価の能率を向上する対応方法を考え、それを実行することです。原価管理は、あらゆるデータをつかって計算する必要があります。時間もかかり労力のいる作業になりますが、面倒くさがらずに行いましょう。

借入がかさんできた時は貸主にリスケの交渉をする

塗装屋で独立をしたあと、経営がうまく軌道に乗らず資金繰りに悩んでしまうこともあるでしょう。借金の返済に困ってしまったら、金融機関にリスケをお願いしてみましょう。
悪化した資金繰りを改善させるためには、あらたに借金をして返済中の借金を返すという方法もありますが、この方法では、あらたに借り入れた借金の手数料などが発生してしまいます。しかし、リスケをしてもらい支払いの条件を変更してもらうだけであれば、余計な手数料などはかかりません。

融資をリスケした場合、当然ながら返済期間が長期化してしまいます。条件を見直すことにより、一時的に資金繰りを楽にすることが可能です。しかし、長い目で見たときかえって返済の負担が増えて、事業にマイナスな影響を与えてしまう可能性もあります。リスケをお願いするときは、先々のことをよく考え計画的に行うようにしましょう。

塗装屋で独立した後の資金繰りも上手に行おう!

以上、塗装屋で独立するために必要な資金、上手に資金繰りをしていくためのポイントなどをご紹介しました。これまでご紹介してきたように、塗装屋で独立をするにはある程度の資金が必要です。そして、塗装屋で独立するための資金を調達する方法は、上記で紹介した以外にも、さまざまな方法があります。また、塗装屋で独立をして事業を進めていくうえで最も大切なことは資金繰りです。そして、必要な資金繰りを把握するには原価管理をきちんと行うことです。
塗装屋で独立し、成功するためには現場での技術だけでなく、上手に資金繰りを行うためにお金の勉強もしっかりとしておきましょう。塗装業は、独立をするハードルが比較的低いと言われている職業で、実際に一人親方として活躍されている方もたくさんいます。
現在、塗装屋で雇われ職人として働いている方のなかで、これから開業・独立を考えている方々の参考になれば幸いです。